リンパ浮腫の分類
以前よりキンマス(Kinmonth)によって行われた分類が現在でも広く使用されています。
この分類では、発症原因がはっきりしているかどうかで原発性(一次性)と続発性(二次性)に分け、原発性をさらに発症年齢から分類している。
①原発性(一次性)リンパ浮腫
先天性リンパ浮腫
生まれついて浮腫を発症しており、リンパ管の形成不全・発育不全が主因。
二足歩行が始まる2~3歳頃までに発症する場合をいいます。はいはい歩行を終え、自分の足で立ち上がって歩くようになると、リンパ管に負担がかかりむくみ始めます。
早発性リンパ浮腫
35歳以前に浮腫を発症した場合で、原発性リンパ浮腫の大部分を占めます。
生下時にはなく35歳頃までに発症する場合を言います。子供から大人のからだに成長し、代謝が盛んになる思春期や妊娠中など脈管系への負担が増え、腹部のリンパ管にこれまで以上に負荷がかかる事や、捻挫や骨折などの外傷などが発症のきっかけとなることがあります。
晩発性(遅発性)リンパ浮腫
35歳以降に浮腫を発症した場合で、はっきりとしていないが後天的にリンパ管の障害がおこってくるためと考えられている(膠原病?)
-
特徴
- 多くは片側性に起こる。
- 両側性の場合には左右差がみられることが多い。
- 末消側(手先・足先)から始まり、中枢側(腕や脚のつけ根)へ向けて進行しやすい。
② 続発性(二次性)リンパ浮腫
- 手術(悪性の腫瘍に伴うリンパ節の切除)後や放射線治療などの後遺症
- フィラリア感染症
- 悪性腫瘍の増悪(悪性リンパ浮腫)
- リンパ管炎、寄生虫感染、外傷性などが誘因となる
- その他
-
特徴
- 多くは片側性に起こる。
- 両側性の場合には左右差がみられることが多い。
- 原因となるリンパ節の周囲(腕や脚のつけ根)からはじまり末梢側(手先・足先)へ向けて進行しやすい。