医院トピックス

健康寿命を延ばすため、「フレイル」の予防をしましょう

2019.10.11

現代日本人の女性の健康年齢74.79歳、平均寿命は、87.26歳と言われています。以上より日本人女性は、約9~12.5年間は寝たきりに近い活動性の低い生活をおくることになります。このことは大きな社会問題にもなっています。
最近、寝たきりになる原因として「フレイル」という言葉がマスコミなどでも多く取り上げられるようになってきました。人口の高齢化が進む中、アクティブな老年期を過ごすには、見捨てられない病態と思います。「フレイル」の原因としては、糖尿病、腎不全、末梢神経障害、骨粗鬆症、閉塞性肺疾患、認知症などの疾患があげられます。骨格筋が委縮し、筋力や身体機能が低下する「サルコペニア」と相関性があり、上記などの疾患と結びつき更に「フレイル」が進行します。

では、どのように「フレイル」対策をすればよいのでしょうか?それは当然の事ですが運動習慣です。適度な運動を行う事で、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、骨粗鬆症などを予防するだけでなく、うつ状態改善、認知機能改善、アルツハイマー病のリスク低下、パーキンソン病などの予後改善効果が期待されております。また最近では、筋肉に運動負荷が加わると筋肉組織中で一部のサイトカイン(マイオカインなど)が生成され、糖・脂質代謝改善作用や抗酸化作用、炎症やがん抑制効果が発現とことがわかってきました。以上より無理はする必要はありませんが、年齢相応の運動を習慣づけることがとても重要な事になるわけです。

私見ですが女性に特化する場合、「フレイル」が発生する年齢前からのケアも必要と考えます。具体的に40歳代から50歳代(個人個人で異なりますが)に継続的にホルモン補充療法を行う事で、「フレイル」の発生を減少される可能性が高いと考えます。ホルモン補充療法を行う事により、骨粗鬆症予防、脂質代謝改善効果から脳卒中や高血圧症などの予防、慢性腎不全の抑制、糖尿病の予防、アルツハイマー病の予防、うつ症状の改善、睡眠の質の改善、体力・筋力向上、口内炎の抑制など、運動療法に類似する様な多様な効果を上げることが出来ます。
人生100年時代と言われています。女性の場合は運動習慣と一緒にホルモン補充療法で元気な生涯が期待できると思います